兵庫県宍粟(しそう)市は総面積の約9割を森林が占め、その豊かな自然をシカやイノシシなど多くの野生動物が守っています。そして山に花が咲き、実がなり、土が作られ、呼吸をし、おいしい山水を作ってくれます。播磨国風土記では大きな｢鹿(しし)に会う｣をもって｢宍さわ｣と名付けられ、現在の｢宍粟(しそう)｣という地名になったと伝えられており、古来よりニホンジカが多く生息する山々に囲まれた田舎まちです。

子供の頃から鹿肉や猪肉は食卓に並ぶことがあるなかで、「角や皮は？　いただいた命を余すことなく形にしないの？」…その小さな疑問をきっかけに、2008年に手仕事の活動をはじめ、山の猟師さんと鹿革を扱っているラボに出会うことができました。命をいただくという同じ想いの猟師さんとラボ、鹿革を美しく形にしたい私の想いがやっと繋がった瞬間でした。
宍粟の鹿を余すことなく形にできる道ができ、鹿の皮は革へと生まれ変わり美しい形に。宍粟の自然を守る命を、感謝しいただくという想いの中から誕生した鹿革コレクションが、今後宍粟の新しい特産品になることを願って活動しています。

古来よりニホンジカは、食・生活面で大事な資源として人と共存してきました。しかし、いつしか山々を守っていた野生動物たちは里に出て農作物を荒らす害獣となり、現在では捕獲・駆除されているのが現状です。もう一度、｢害獣｣という枠から｢資源｣として、人と共存できるようにしていきたい―。いただいた命を無駄にせず、さらに環境に無害のポルティラ製法で作品にすることで、山にも人にも地球環境にもやさしい作品づくりを心掛けています。

ポルティラ製法は、クロムやタンニンなどの重金属を使わず、発がん性物質を含まない染料で染色する方法です。宍粟の豊かな自然や田舎まちの季節を感じてもらいたいという思いから、草木染めなどの天然染料のみで鮮やかなたんぽぽ色・みどり色・つゆくさ色・べに色の4色を開発しました。
鹿革の特徴でもあるフワフワとした厚みと柔らかい質感を引き出すため、表面加工を施さずに、エイジングを楽しんでいただけるナチュラルな作品に仕上げました。鞣す～染色の工程にいたるまで、100％オーガニックの製法で仕上げた宍粟の鹿革。一点、一点、手仕事の風合いが残るやさしい作品を宍粟から全国へお届けします。

【洋飾店　Sagua】
〒671-2554　兵庫県宍粟市山崎町
tel. 090-4768-7209
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